月6000枚の紙の請求書を電子化、少人数で効率よくミスなく実現するには?
高性能ドキュメントスキャナーとクラウド化で解決
JBグループの共通業務を一手に担うC&Cビジネスサービスの業務センター 購買業務部門では、新型コロナ禍による急速なテレワーク導入で生じた大量の請求書を電子化する課題を、KODAK INfuse AXスキャナー※(以下、AXスキャナー)と、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社が持つクラウドデータ連携プラットフォーム「Qanat Universe(カナートユニバース)」との連携により解決した。
C&Cビジネスサービスは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するITサービス企業 JBグループにおいて、経理や人事などの共通業務を担当するシェアードサービス会社として2002年に設立された。当初の社名は株式会社ジェイ・ビー・エス・エスだったが、2007年に現在の社名に変更。JBCCホールディングスを中心に成長を続けるグループ各社の業務を支え続けている。
「C&Cビジネスサービスの業務センターは、JBグループの受発注および請求書発行などのバックオフィス業務を担当しています。その中でもわれわれ購買業務部門は、仕入先への発注および請求書支払い業務を担当しています」と、C&Cビジネスサービス株式会社 業務センター 購買業務 部長の吉田昌勝氏は説明する。
購買業務部門では、大量の請求書を紙で毎日処理していた。その量は、1か月に約6000枚で、仕入先は400社。少ない日でも30枚程度、多い日には100枚以上となっていた。これを、実際の処理としては4〜5名で担当している。
紙の請求書が届くと、1枚1枚、取引先番号などの必要な項目を請求書の紙に直接記入する。ダブルチェックも紙で行い、支払い処理した人とダブルチェックした人が直接押印していた。こうした作業フローをとっていることから、「全員が出社する必要があり、テレワークで行える業務ではありませんでした」と、業務センター 購買業務の市川紗織氏は当時の問題点を語った。
最初の転機となったのは、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、テレワークが求められたことだ。出社を自粛しつつも、仕入先からは請求書が毎日届き、処理しなくてはならない。そこで、テレワークでも対応できるよう、請求書をPDF化することにした。
当初の方法は、オフィスにある普通のMFP(複合機)を使って請求書をPDF化するものだった。メンバーの1人が出社し、請求書をスキャンしてPDF化する。そのPDFをファイルサーバーに保存して、ほかのメンバーが自宅から取得して支払い処理をするというものだ。
このときの作業フローは、ファイルサーバーの中のフォルダー分けに頼っていた。ファイルサーバーに置かれた請求書のPDFファイルをもとに、支払い処理をしたら、PDFファイルを処理済フォルダーに移す。そしてダブルチェック担当者は、処理済フォルダーを見て請求書をチェックして、PDFファイルをチェック済フォルダーに移す。
しかし、こうした人力でPDFを移動することによる作業管理で、問題も発生した。「複数の人が作業していて、処理漏れや、違うフォルダーに移してしまうミス、さらにはそれにより期日を過ぎてとしまうといった問題も発生しました」と、吉田氏は語る。また、処理の流れが見えないため、そうした間違いが発生したことにも気づきにくかった。
このような請求書をPDFする作業の間違いをなくし、さらに作業負荷を減らすことが求められていた。「請求書をPDF化するところをどうやって効率化するかが課題でした」と業務センター 購買業務の河西大介氏は振り返る。
この課題を解決すべく新たに採用したのが、コダック アラリスのエンタープライズグレードのセキュ リティとイメージ処理プロセッサを搭載した「AXスキャナー」と、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社のクラウドデータ連携プラットフォーム「Qanat Universe」を組み合わせた、「Qanat Universeペーパーレスソリューション」だった。「AXスキャナー」は、パートナーが開発したソリューションと連動して、紙の情報をデジタル化して業務プロセスに統合できる製品である。「Qanat Universe」は、基幹/業務システムやクラウドのサービス、PCなど、オンプレミス、クラウド上の様々なシステムやサービスをシームレスにつなぐ、クラウド連携プラットフォームである。この2つを統合した「Qanat Universeペーパーレスソリューション」は、“あらゆる紙業務を自動化する”ことを目指し、電子ペーパーやスキャナー等の専用端末、伝票内容を高精度でデータ化するソリューション群(AI OCR、画像補正など)、さらに、データを業務で活用するためのSaaS/後続システムとの連携機能等、紙業務の自動化に必要な機能をすぐに利用できる形で用意し、 トータルで提供している。
これを、ノーコードで業務のシステム化や効率化を実現するアプリを作成できるクラウドサービスkintoneで新しく開発した請求書アプリと組み合わせて活用することで、業務効率を大きく改善したという。
改善点の1つめは、最初のスキャンの段階だ。請求書は仕入先ごとに様式が異なり、大きさや向きなどが異なる。そのため、これまでは手作業で請求書をサイズごとにまとめてから、それぞれごとにスキャナーに入れていたため、分別の手間がかかっていた。
それに対してAXスキャナーでは、異なるサイズの用紙をまとめてスキャンできるようになった。読み取り速度も毎分80枚と高速で、合わせてスキャンのための時間と手間が削減された。そのほか、紙の表裏や向きを間違っていても自動修正してくれ、シワが入っていたり、スキャン時に斜めに紙が入ったりしても画像を自動補正してくれる機能であるコダック アラリスのイメージ処理技術 パーフェクトページも備えており、「スキャンがかなり楽になりました」と河西氏は語った。
次に、PDFの分別も改善された。まとめてスキャンしたPDFは、複数の請求書が1ファイルにまとめられている。これを従来は、いちどローカルのPCに保存して分割作業したものをファイルサーバーに置いていた。これをスキャナーと連携しているkintoneアプリでシステム化。アプリ上で、1ぺージ目から2ページ目まではA社、のように指定していけば、PDFが割り振られる。アプリの上で作業することにより、たとえば誤って1ページを分割し忘れた、といったミスを防ぐこともできる。
こうして用意されたPDFは、そのままkintoneによる請求書アプリに投入される。これまでは、スキャンしたPDFをいちどメールで送り、ローカルで分割して、ファイルサーバーに置く、という手動フローとなっていた。これをシステム化して、そのまま請求書アプリに入るようになった。
そしてkintoneの請求書アプリでは、1レコードに1件の請求書PDFが対応している。各レコードでは、請求書受領日に日付が自動的にセットされることで、受領印をなくすことができた。入力作業やチェック作業の担当者も入力するようになっているので、誰が支払いをしたかも後からわかる。
さらに、作業ステータスを、これまでのフォルダー分けに代わって、kintoneのステータス機能で管理するようにした。これによって作業フローをシステムが自動的に管理し、処理が漏れてしまうといったミスが防げるようになった。
こうした改善によって得られた効果をまとめると、3点が挙げられる。
「変更した当初は、皆さん戸惑いもありました。しかし、1年ぐらいたって、スムーズに処理できるようになりました」と市川氏はDXの進行状況を報告する。「先月から始めたグループもあり、そこはま だ慣れていませんが、1年ぐらいたてば処理できるようになります。皆さんで協力して進めていただければと思います」。
2024年1月に電子帳簿保存法が義務化されたことなど、企業における書類の電子化は待ったなしとなっている。一方で、書類のやりとりはままだまだ紙が中心だ。そこにおいて、書類をすばやく電子化できるAXスキャナーと、それにクラウド化を組み合わせた「Qanat Universeペーパーレスソリューション」は、大いに活躍しそうだ。
※ KODAK INfuse AXスキャナーは、クラウドデータ連携プラットフォーム「Qanat Universe」だけでなく、様々なソリューションと連携がすることで業務効率化が可能なスキャナーとなっております
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