金融機関は、競争優位性を獲得するために、引き続きデジタル変革に向けて大きく前進する必要があります。銀行業務におけるデジタル変革は本格化しており、銀行業務の IT リーダーらは、今後 2 年にわたり、デジタル革新の戦略的重要性が飛躍的に高まるものと予測しています。しかし、課題は依然として山積しています。デジタル機能が組織の差別化要因になることに現在同意、あるいは強く同意している銀行テクノロジー幹部はわずか 33% に留まっています。
当社では、デジタル分析、デジタルチャネル、自動化の 3 つのカテゴリにおいてデジタル革新を調査しています。銀行業務の競争優位性を実現する基盤として、デジタル革新の重要性を理解する銀行幹部はいるものの、多くの場合、それに対応したアクションや支出が優先されることはありません。デジタル革新において行動を起こさない銀行は、顧客データを収集/分析することなく放置している可能性があります。しかし、顧客データこそが、顧客ロイヤルティーを獲得するためのカギなのです。経営幹部が将来に向けたテクノロジー支出を計画する場合、デジタル変革は実現不可能な目標に見えるかもしれません。部門の枠を超えた企業規模のプロジェクトを実施すれば、企業の競争上の位置付けに悪影響を及ぼすことはもちろん、困難なスケジュールや予算に対処する必要もあります。しかし実際には、デジタル変革ははるかに小さな規模で実施できるものであり、現に実施されています。付加的に効率性を向上するには、多くの場合、段階的なアプローチが最も適しています。
手始めに段階的な投資を 1 つ行うだけでも、大きな成果が見込まれます。顧客の登録作業を例に取ってみましょう。スムーズな登録によって、顧客との長期的な関係性がどのように方向付けられるかを考えてみてください。実際のところ、登録、口座維持、サービスリクエスト、照会処理などの顧客サービスが優れている金融機関が他にあれば、取引銀行の変更を検討することを厭わないと述べる企業は 90% に上ります。さらに、主要な登録プロセスの特徴においては、代替プロバイダーが常に銀行を上回っています。銀行は、情報管理における摩擦や重複を排除することで、直ちに登録作業を向上することができます。また、紙ベースのプロセスを可能な限り自動化すれば、紙の書類を探す時間が節約されたり、同じ情報を何度も要求して顧客を苛立たせたりすることを回避できます。
つまり、銀行の登録プロセスをデジタル化する上で、ドキュメントキャプチャが重要な役割を果たします。ドキュメントキャプチャによって、紙ベースのドキュメントがワークフローに統合され、この重要な情報がどこからでもアクセスできるようになります。また、ワークフローを自動化できるため、手動による反復作業に従業員が費やす時間を短縮できます。ワークフローの自動化によって、非効率を低減し、プロセスを迅速化するチャンスがもたらされます。このため、顧客が希望する直観的でシームレスかつ手間のかからない登録を提供できます。
登録作業における最大の問題